1980年代の中国DL[3]外国製ディーゼル機関車 ND2
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京滬線南京長江大橋を行くND2牽引列車.当時この区間の旅客列車をすべて牽引していました.1983.5

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同じく京滬線南京郊外の旅客列車.中国の渋い風景にも良く調和しています.1983.5

電気式のND2はルーマニアのElectroputere社の製造で、ルーマニア国鉄060DA型がプロトタイプですが、設計はスイスのズルツァー&SLM社のライセンスです.外観はいわゆるスイスロコの体をなしていて、低床型のボディや天地逆向きのリーフスプリングなどにその特徴をうかがうことが出来ます.最初の数両だけはスイスの電気機関車そっくりの面長のフロントマスクでしたが、その後の増備機は中国タイプとでもいえるようなおっとりとしたマスクになってしまいました.
1983年4月に初めて中国で乗車した列車がND2型の牽引で、私が初めて見た中国の機関車でもあります. コンパクトな車体ですが床下に6軸の動輪がきれいに収まっています.スペックの割にはなかなか力持ちで、20両編成の特快列車も軽々と100km/h以上で牽引していました. 軸配置C-C、電気式、エンジン ズルツァー Sulzer 12LDA 28B型(2000ps/850r.p.m.)、全長17m、重量120t.最高速度120km/h.1970-80年代に284両が輸入されています. 当初は上海、南京、杭州などの華中地方中心に使われましたが、増備と他の機関車の台頭で徐々に南下し、一時は香港九広鉄道への乗り入れ列車牽引もこなしています.1988年にヨーロッパからはるばる陸路来日した N.I.O.E. オリエント・エクスプレス編成を大陸最終アンカーとして香港に連れて行ったのも確かこの機関車です. 現在は海南島で活躍しているほか、まだ上海周辺でも見ることができるそうです.

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