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St.Valentine 霧の朝
-オーストリア、ザンクト・バレンティンのDB103型-

The DB103 type engine running threw the foggy morning of St.Valentine, Austria. 1977 oct.

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濃霧の中、ローカル列車の到着
オーストリア西北部の都市、リンツ(Lints)郊外にあるザンクト・バレンティン(St.Valentine)の街の朝は濃いミルク色の霧に包まれていた. トレーシング・ペーパーを一枚づつ剥いで、また重ねて行くように通勤、通学の人々が霧の中をシルエットとなって、現れては消えてゆく. ホテルの前には教会の尖塔がある筈だがそれさえも見とることはできなかった.早起きして駅まで行き、撮影をするつもりだったがこれでは写真になりそうもない. 8時過ぎにTEEが通過することになっているのでぜひ狙って見たいのだが.迷った末、意を決してカメラを持って街へ飛び出す. ブロンドヘアーも美しいホテルの若女将が「グーテン・モルゲン!」とやさしい声をかけてくれる.この辺の緯度は稚内よりも北に位置するはずだが、 10月初旬というのに肌寒さは感じず、清々しい空気が心地よい.駅までは数分の距離、途中パン屋さんから香ばしい匂いがただよい、空腹にしみる.
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