中国鉄道 China Railway
大同郊外口泉線

Kouquan line , the coal conveyance railroad of the Datong suburbs 1988 sep.
1988年9月の第一回"大同国際蒸気機関車祭"に参加したが、当初予定されていた蒸機列車乗車、機関区見学、沿線撮影がすべて警備上の問題とかでキャンセルされてしまった. 私やヨーロッパ、USAなどからの鉄道ファンの参加者は「わざわざやって来たのに話が違う!」と皆怒り狂い厳重抗議を申し入れた. ところが私以外の外国人招待者はうまくまるめこまれてしまったのか、 遠方の観光地までのツアーでお茶を濁されてしまったようだ.
一番うるさそうな私には別メニューが用意されていて、「誰も撮影したことのない」路線に案内してくれると言う. 他の人達も一緒に、とは言ってはみたものの皆さん納得しているなら良いか. と思い一人鉄道部のクルマでご案内いただいたのがこの線だ.専用線と言っていたが時刻表にも掲載されている口泉線だと理解したのは帰国後だった.30キロにも渡る鉄道の沿線は炭坑と炭住の連続.谷筋だと思うのだが川は確認できず.「好きなところで撮影してください」と言われたのだが景色の変化は殆ど無い. 途中係員のいる踏切近くでは列車時間が判ると言うことで、ここで線路端撮影と言うことにした.
2時間程の間に10本以上の列車がやって来たが機関車の向きが一定なので大同方面の列車はすべて機関車は逆向き.機関車が最後尾に付いた推進列車もあった.気温が高く煙はスカスカ!天気の所為もあるが煤と黄砂で全体にモノトーンの情景となってしまった.
山西省の大同地区は中国でも有数の大炭鉱地帯.この線の他にも雲崗線や名もない運炭用の支線が数多くあるという.その石炭の多くは現在は大秦線で運ばれ、秦皇島から日本などに輸出されている.(当時は大秦線は未開通)
私は日本国内をはじめスペイン,ポルトガルなど数カ所の炭鉱地帯で撮影したことがあるが、あの一種独特の雰囲気は何故か共通する部分が多い.
もう少し沿線を見てみたかったが、撮影できただけでも良しとせねばならない. 我が儘を聞いていただいた中国国鉄の大同鉄道部に感謝.(当日はソウル五輪の開会式だったことを思い出した)
現状は不明だが、噂によれば全線電化されているとのこと.
daido21
QJ2651の牽く空車回送.天気も悪いがこの沿線は黄砂と石炭でくすんでいる.
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