1980年代の中国DL[2]中国製電気式ディーゼル機関車 東風4 DF4 -2/2
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京広線高碑店駅を通過する東風4型牽引の貨物列車.このアングルだと屋根の野暮ったさが目立たず、結構格好良いかな?1988.5

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京包線八達嶺を下る東風4型牽引のローカル列車.1988.5

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京滬線南京郊外の東風4型牽引貨物列車.1983.5

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大連工場で落成間近の東風4型.最後に入れられる帯の幅や、正面の中国国鉄シンボルマークの大きさ、位置は製造年代によって変化が見られます.上の写真で比較してみてください.1984.10

東風4(DF4)型は中国国鉄では最もポピュラーな機関車で1969年から製造を開始、全国で多くの仲間が活躍しています.中国の鉄道光景といえば、今では前進型蒸機に変わって東風4型の写真がまず登場することが多く、ファンならずとも雑誌やテレビなどで目にする機会はよくあるはずです.
最近では海抜5000m以上の高地を走り、チベットのラサに通じる青蔵鉄道の試運転シーンも東風4型の重連でした.逆に言えばこの面白おかしくもない機関車が代表してしまうことで中国の鉄道は面白くない、と思われる方が多いのも事実で、よく言われる「くそグリーンで屋根が深く、豆腐屋さんのラッパのような警笛を鳴らすつまらん機関車」とはまさにこの機関車のことかと・・・・.
北京型もネイビーグリーン塗装の時代は全長が少し短いだけで、似てるといえば似ていて、恥ずかしいことに私は最初見分けが付かなかったくらいです.
東風4型はエンジンや性能の違いでA、B、C、D型と進化していて、その後に登場した東風8型、東風9型、東風11型もその進化の延長上にあると考えられます.さらにはNZJ2神州型という気動車タイプの列車の動力車も外見は違っても中身はほとんど東風4型です.
貨物用、旅客用の分類のほかに使用線区に適合するような特殊装備など、本気でまとめれば本が一冊は書けてしまうような複雑なバリエーションがあるようです.私自身も断片的に知るのみでその全貌は掴んでませんので番台区分などの詳しい解説はできません.このコンテンツのタイトルは80年代の〜、ということで逃げている?のでその時代に存在したA型B型ひっくるめて東風4型としてのご紹介でご勘弁下さい.

軸配置C-C、電気式、エンジン A形16 240ZA型 /B型16 240ZB型(3600ps/1100r.p.m.).全長20.3m、重量138t.最高速度120km/h(旅客用)、100km/h(貨物用)
外観は良心的に見ればドイツ型の流れをくみ、20mのボディは実際目にするとかなりの迫力もんです.エンジンはアメリカのアルコ社、スイスのズルツァー社の技術が採用されていて、大連工場見学の時に蝸牛型加給装置(ターボチャージャー)の存在を確認しています.
当初は大連工場のみで製造されていましたが、蒸気機関車製造終了後の大同工場でも1980年代末から製造開始、その後はさらに別の工場でも手がけているようです.
塗装は濃いグリーンに、うす青色の帯が標準ですが、オレンジやブルー、さらにはC・D型では日本の旧国鉄特急色を彷彿とさせるような派手なものまで存在します.

現在5000両以上(一説には6000両以上)の仲間が生産されて中国各地で活躍中ですが、初期車はすでに40年近い経年があり砂漠や高所、寒冷地など過酷な条件での酷使もたたって、同型や新型への代替えも急ピッチで行われているようです.

余談ですが
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一見 東風4型のようにも見えますが、寸詰まり!というか少し小柄ですね.動輪も2つしかありません. この車両は東風シリーズを製造している大連工場の構内入換機です.1984年10月、工場見学をしたときにはこのように木陰で佇んでいました.表には出てこない機関車ですから、写真が公開される機会は少ないでしょう.小さいなりにまとまったデザインで、不自然さを感じません. 1970年頃の製造と思われますが、であれば文革のさ中によくぞユーモア溢れる珍車を作ったものだと思います.こいつが半完成の大型機を牽いて構内をチョコチョコ走る様を想像するだけでも楽しくなります.
型式などは不明ですが、側面には TUO CHE と書かれています.CHEは車でしょうが、TUO は何でしょう?田駄雄作の駄の字もTUO(DUO)ですが."駄車"?ありえますね.
まだ使っているかどうかは?ですが、ご存知の方はいらっしゃいますか?

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